目標管理の基本概念は、「人と組織が共生する新しい経営管理のあり方」であり、与えられた仕事を「こなす」のが仕事と考えられていた従来の考え方とは異なる概念です。

 人は、明確な目標(到達点)とその達成のために必要な行動計画を明らかにすることで目標達成度は飛躍的に高まることが知られています。また、目標設定と行動計画の明確化は効率的な行動に結びつくだけでなく、仕事そのものの面白さ、達成感、自信などにつながり、これらがやりがいと高めより強い動機付け要因となっていきます。

 つまり、目標管理の目的は従業員のやる気を高める制度であり、そして組織としての方向性を統一するしくみであるわけです。この目標管理のポイントは、①会社と個人の統合目標、②自己統制の2点です。明確な目標設定と自己統制による達成行動です。

目標管理とは

目標管理(Management By Objective)はアメリカの著名な経営学者であるドラッカー博士が提唱した経営手法であり、その基本的な考え方は、「目標の明確化と自己管理」と言われています。

 この目標は組織、つまり企業の目標と個人の目標の統合であり、ノルマではありません。目標管理は「ノルマ管理」でもなく、目標達成度によって評価し給与や賞与額を決定する制度でもありません。

 目標管理と聞いただけで、組織目標を個人目標に分割し、個人の目標、つまりノルマを決定し、その目標達成度によって評価、処遇する制度であると考える人がたくさんおられますが、決して目標管理はノルマ管理でもなく、評価の道具でもありません。

 目標管理は、従業員が自主的に目標を明確に設定し、その目標実現に向かって、自主自律的な行動(自己管理)を取ることが基本です。

目標管理の基本的理念

目標管理の基本概念は、「人と組織が共生する新しい経営管理のあり方」であり、与えられた仕事を「こなす」のが仕事と考えられていた従来の考え方とは異なる概念です。

 人は、明確な目標(到達点)とその達成のために必要な行動計画を明らかにすることで目標達成度は飛躍的に高まることが知られています。また、目標設定と行動計画の明確化は効率的な行動に結びつくだけでなく、仕事そのものの面白さ、達成感、自信などにつながり、これらがやりがいと高めより強い動機付け要因となっていきます。

 つまり、目標管理の目的は従業員のやる気を高める制度であり、そして組織としての方向性を統一するしくみであるわけです。この目標管理のポイントは、①会社と個人の統合目標、②自己統制の2点です。明確な目標設定と自己統制による達成行動です。

人を育てる目標管理

目標管理制度を実践する上で最も重要なポイントは、「どのように目標を設定するか」という点にあります。好ましい目標管理制度では、目標は上から押し付けられるものではなく、管理者や社員が自ら課題を見つけ、目標設定する仕組みとなっていることが大切です。

 さらに、その実践では、自ら行動計画を策定し、その行動の達成度を、例えば毎月チェックするしくみとし、いわゆるPDCA(計画-実践-チェック-見直し)のサイクルを回します。

 そのためには、管理者は経営方針を理解しその方針の具体化策を見出す力、決算書を理解し、売上と費用、そして利益との関連を知り、さらに自社を取り巻く経営環境を理解する力を養う必要があります。つまり、これからの管理者は、自社の経営を客観的に見ることのできる能力を身に付けなければなりません。

 従来の考え方では、目標設定はトップまたは部門長の仕事であり、管理者や社員はその与えられた目標の達成に努力すればよいという考え方もあったと思われますが、これからの経営では、トップや部門長のみならず、中間管理者や一般社員も目標の設定に関与し、真に適切な課題、つまり企業の課題でもあり、従業員自身の課題でもある目標を設定してゆくしくみ作りが「人を育てる目標管理」となり、且つこの仕組みが企業を前進させ、社員に働きがいをもたらすシステムとなります。

目標管理推進のしくみ

目標管理を効果的に推進するためには、①目標を設定するための活動、②目標を達成するための活動、③目標達成をフォローするための活動の3つに分けて考えるのが適切です。

(目標達成度の測定と評価の方法については後に考察します)

①目標を設定するための活動

 経営計画を策定すること、つまり、経営環境の変化、競合他社の動向などを分析し、かつ自社の過去の決算書(3ヵ年)の内容を分析して、計画損益計算書、計画製造原価報告書などを作成します。

これらの計画を実現するために必要な目標を具体的に設定します。これが全社目標、部門目標となります。この目標設定を行う活動をどのように行うかを決めることです。

②目標を達成するための活動

 それらの目標を現実に達成できるように行動計画を策定します。目標を設定するだけで目標達成が出来るわけではありません。この目標達成のためのストーリーと行動計画が必要です。

③目標達成をフォローするための活動

 行動計画が計画通りに実行されているかどうか、新たな問題や壁が発生していて、行動計画を変更したり、目標自体を変更する必要がないか、などをフォローする活動です。

 これらの活動の内容を記載したものが目標管理制度となります。

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